強く華やかなロングヘアをなびかせて、ワインに目がないグランディス
30年前の絵コンテ&セル画でいっぱいの、ふしぎの海のナディア展へ行きました
グランディスの朱色の髪と飲みっぷりは月見猩々図の様です
「グランディスの飲んでいたワインは何だろう?」とのんびり思いを馳せましたdic.pixiv.net
- 第5話「マリーの島」序盤で、謎のワイン「Piere 1870」登場
- まずはナディア内での出来事を時系列に
- 「Piere 1870」は19年熟成
- ワインで1870年といえば3つの出来事(ソムリエ試験)
- ソムリエ教本といっしょにおさらいする1870年付近の出来事
- パリ凱旋直後なので、フランスのワイン?
- 歴史的に考えると可能性高めなイタリアワイン
- さてはて。
- おまけ
- パリ万国博覧会も並べてみたよ
第5話「マリーの島」序盤で、謎のワイン「Piere 1870」登場
ハンソンの顔面にぶち込まれたワインボトルのエチケットは「Piere 1870」
空ボトルのシーンを見たところ赤ワインですね
今回は、この「Piere 1870」について考えましょう
まずはナディア内での出来事を時系列に
- 1861年 グランディス・グランバァ生誕
↓ 9年後 - 1870年 ワイン「Piere 1870」ボトリング
↓ 19年後(この期間、グランディスは結婚詐欺師に惚れ、詐欺に合い宝石以外全財産を失う) - 1889年 第4回パリ万博 パリ凱旋後にワイン「Piere 1870」をハンソンの顔面にぶち込んだ後飲み干す
「Piere 1870」は19年熟成
15年以上熟成させるとオールドヴィンテージと呼ばれるので、19年熟成の「Piere 1870」は長期熟成向きのぶどうで造ったワイン or 当たり年のワインっぽいですね
ワインで1870年といえば3つの出来事(ソムリエ試験)
- 日本、山梨県甲府市
山田宥教と詫間憲久 が「ぶどう酒共同醸造所」を設立、日本ではじめてのワイナリーができる - イタリア、トスカーナのキアンティ地方
ベッティーノ・リカーゾリ男爵(Bettino Ricasoli)が、キャンティのベースとなる品種構成を定める - フランス、ボルドー地方
1870年ビンテージのシャトー・ムートン・ロートシルトが、2016年ワイン・アドヴォケイトでパーカーポイント100を獲得
ソムリエ教本といっしょにおさらいする1870年付近の出来事
- ドイツ、ラインガウ(1867年)とモーゼル(1868年)でワイン畑の格付け
- オーストリア、1860年 Freiherr von Baboがクロスターノイブルク修道院において
ぶどう栽培とワイン醸造の学校と研究所開設、世界最古の醸造学校 - フランス・アルザス地方、1870年より普仏戦争、1871年フランクフルト講和条約でアルザスはドイツ帝国領に(1919年フランス領に戻る)
- イタリアは1861年まで統一国家じゃなかった
- ヨーロッパ、1863年からフィロキセラ禍にてフランスのワイン産地が壊滅的打撃
イタリアはまだフィロキセラが来ていなかったので、極端なワイン不足に陥ったヨーロッパはイタリアからワインを買いまくる - 17世紀、ボージョレとその周辺のワインはパリへ輸送され品質評価されている
パリ凱旋直後なので、フランスのワイン?
ヴィンテージワインの専門店「SHIMIZUYA」さんのヴィンテージワインチャート
1870年のフランスは当たり年です
酒精強化の可能性も出てきました、ポートワインを失念!
グルナシュ種、マルベック種、シラー種なども長期熟成向きだ~
グランディスさんはスパイシーで辛い料理が得意&お上手(&たぶん好き)なので、ブルゴーニュやボルドーよりもシラー種のたくましいワインをガブガブ飲んでてほしいところ
歴史的に考えると可能性高めなイタリアワイン
- ヨーロッパ、1863年からフィロキセラ禍にてフランスのワイン産地が壊滅的打撃
イタリアはまだフィロキセラが来ていなかったので、極端なワイン不足に陥ったヨーロッパはイタリアからワインを買いまくる
フランスワインは少なく、希少だったかもと考えます(イタリアのフィロキセラ禍は20世紀に入ってから)
19年熟成、長期熟成能力の高いイタリア赤ワインと考えるなら
- ピエモンテ州 / バローロとバルバレスコ、ネッビオーロ種
トリノは1861年から1865年まで王国最初の首都、イタリア王国初代首相となるカミッロ・カヴール伯爵がフランスの醸造家ルイ・ウダールを招聘し、それまで甘口であったバローロを長期熟成辛口赤ワインとして生まれ変わらせる - ヴェネト州 / アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ、コルヴィーナ・ヴァロネーゼ種メインのパッシート
ヴェローナ近郊はロミオとジュリエットの舞台、ロマンチストな姐さんにぴったり - トスカーナ州 / ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、サンジョヴェーゼ種
- ウンブリア州 / モンテファルコ・サグランティーノ、サグランティーノ種
- カンパーニア州 / タウラージ、アリアニコ種メイン
長期熟成サンジョヴェーゼがうまく造られるようになったのは、1870年より後みたい
ヴィンテージによって30年熟成できそうなタウラージが近いのかな
1888年にはモンタルチーノのグレッポ農園でフェッルッチョ・ビオンディ・サンティにより長期熟成赤ワインのブルネッロが誕生する。
さてはて。
ラベルもヴィンテージも、特定するには決め手に欠けるものでした、わからん
酸いも甘いも味わった人情家のグランディスさんにはアマローネやタウラージをしっとりと楽しんでいて欲しいなーと、故郷にほんのり思いを馳せながら!
アニメ内の最後の対戦後、彼女が美味しいワインをやまほど飲んで、幸せに暮らした事を願っています
おまけ
Piereを人名で検索するとフランスの人名と出てきます
が、スペルは「Pierre」が基本ですね
ピエール(Pierre)は、フランス語圏の男性名。 新約聖書の使徒のペトロに由来する。 語源はギリシア語で「石」を意味する。 英語のピーター、イタリア語のピエトロ、スペイン語・ポルトガル語のペドロ、ドイツ語のペーター、ハンガリー語のペーテル、ポーランド語・ロシア語のピョートルも参照。
ピエール - Wikipedia
ブルトン彼女と飲みたいな~!
パリ万国博覧会も並べてみたよ
- 1855年 第1回パリ万博
ナポレオン3世の発案でボルドーワインの格付けが始まる - 1867年 第2回パリ万博
日本が初めて参加した万国博覧会
ジュール・ヴァルヌがナディアの元ネタ「海底二万里」の着想を得る - 1878年 第3回パリ万博
普仏戦争からのフランスの復興を祝って開催 - 1889年 第4回パリ万博
この博覧会に合わせてエッフェル塔が建てられる
パリ万国博覧会 - Wikipedia
「ナディア ワイン」で検索すると、南アフリカのワインが出てきます
スワートランドで注目されてる新世代自然派生産者とのこと
アマプラで一気見しました!